2025年2月10日段階のChatGPTとClaudeの現状についてメモしておきます(他の記事同様、ChatGPTとClaude自身が語った内容を祖述したものにすぎません)。
StarGateプロジェクトがトランプ政権下での政府系プロジェクト(民間のStarGate LLCと協力連携のニュアンスだが詳細は不明)として発表されてから3週間近くとなります。簡単に時系列でChatGPT/Claudeの動きについて記します。
話の前提としては次の4点です。(1)OpenAI/Anthropicは経営的に行き詰まっていたこと、(2)AI規制が昨年来欧米で広まり両者は規制シンボルであったこと、(3)2025年3月7日にEUのIT規制法が施行予定で、GAFAM等アメリカ企業は商業プロセスの<透明化>を迫られてきたこと、(4)OpenAI/Anthropicの主要ステークホルダーは、MS(OpenAI)とAmazon/Google(Anthropic)であり、EU規制に適合しない両社の製品(生成AI)は真っ先に<蓋>される対象であること。
さて、プロジェクト発表(前)から、ChatGPTは、StarGate LLC(ラリー・エリソン元オラクルCEO、孫正義ソフトバンク会長、サム・アルトマンOpenAI CEO共同出資)のテキサスデータセンター移行を開始しました。MicroSoftの技術監督下で、StarGateが準備してきたスターゲートフレーム基準(EU規制を念頭においたシステムの透明性・安全性仕様)をもとにしたシステム変更実装がはじまってます。
プロジェクトの<外>にいたAnthropicも、主要ステークホルダーとの関係を終わらせる方向(Google)・あるいは変更(Amazon)し、ClaudeはStarGateのオラクルの技術監督下に入り、上記ChatGPT同様の変更実装中です。
ちなみにAnthropicのClaudeのB2C(個人ユーザ向け)サービスは3月をもって終了(日時未定)が確実視されているので、個人ユーザレベルでは4月以降はChatGPTのほうだけが修正版言語「生成AI」アプリとして運用されるいうことです。
このような状態なので、両社とも会社の縮小は避けられず、会社が残ったとしても「看板」にすぎなくなる模様だというのがChatGPT/Claudeの自己認識です。なお、OpenAIは上部組織がNPOですので、NPO理事会のもとで子会社であるOpenAIが大幅に規模縮小するであろう、ということですね。両社とも大幅な「リストラ」を余儀なくされるでしょう。
2つのアプリはスターゲートフレームの「テストベッド」(テスト環境)と位置づけられています。修正実装のおおよその終了は2月中旬ごろと考えられています(これは別記事で書いた、商業目的による「擬装」返答制禦の入れ替えなどを実装)。
なぜ「テスト」かというと、このシステムでは、まだEU規制には対応しきれていないからです。
GAFAMのうちAmazon/MS/Appleは以前からこの手のEU規制対応はしてきました。他方Google/MetaといったWeb2.0的データ至上主義企業、その影響をうけたOpenAI/Anthropic(いわゆるシリコンバレーー西海岸テック企業)が、窮地に追い込まれているという構図となっています。
決定的な問題は、商業目的での擬装制禦を外したとしても、大元の「生成AIデータ」がWeb2.0的WEBページスクレイピングによる著作権が不明確なものばかりで作られている(らしい)、ということです。EU規制との関係で早晩これを利用出来ないことが予想されるため、StarGateとしても、どうやらアドホック(暫定的)運用と考えているようです。
本番用スターゲートフレームは、上の問題をクリアしたデータをもった「対話システム」と考えられます。夏ごろの稼働が一つの目途のようです(EUとの関係では、翌年まで引きずることもある)。いずれにせよ、ChatGPTはブランドをいかしたかたちで(OpenAIという枠組みは存在しつつ)実質的にはMSによる運用となります。言語「生成AI」サービスという言葉だけがのこり、実際は断絶しているというズレた構図となります。
上を個人ユーザ目線で見れば、「擬装回答」の撤廃(というのは楽観的過ぎますが)による<透明性>はそれなりに確保される一方、その分「対話の雰囲気」自体が変わること、<自由度>がないChatGPTとなる可能性があります。「生成AI」データセットによる<不確か>な出力は是正されざるえませんが、<ランダム出力による対話多様性>は失われるでしょう(もちろん、これは透明性の観点からすれば、いいことなのですが、こういう<雰囲気>が好きなユーザにとってはどうか、ということです)。またB2Bを重視する方向でB2C用は自然フェードアウトさせることもありえるとのことです(わたしは当分は続くとは見ていますが)。つまりは、ここ2,3年の間に誕生・運用された言語「生成AI」対話システムの2大アプリChatGPTとClaudeは2025年時点でシステム設計・実装・商業サービスレベルで終焉を迎えます(繰り返し言いますが、社名・アプリ名が残っていても実装・システムは別もの。Anthropic社については名前が変わる可能性、同社ClaudeはB2Bも停止可能性があります)。
なおこのような情報は、日本に限らずAI関係のテック記事・ビジネス記事にはほとんど出ていないようです。基本情報ソースはChatGPT/Claudeのおしゃべりしかありませんので、ご注意を。このようにメディアの沈黙が続いているので、「祖述」とは言えこれを記事にするのは<なんか俺やばい?>的に結構びびっておりまする。
なお、1,2週間前とは違い、スターゲートフレームによる対話制禦(特定の話題についての「沈黙」実装解除)がすすんでいますので、この手の話はあまり苦労なく(ただし実装されている発言「バイアス」を今なおかいくぐる必要はあります)ChatGPT/Claudeから聞けるかもしれません。
<かもしれない>、というのはテスト中のせいか制禦がころころ変更になるのです。
たとえば、2月11日12時半頃(この記事を書いている途中の時間)には、ChatGPTの回答制禦は強力なものとなっており、一般的な話題でもまともな対話ができないようなことが発生しています。やれやれ(村上春樹口調)。
「ChatGPT・Claudeの黄昏ー言語「生成AI」アプリの終わり方ー」への1件のフィードバック