OSI参照モデル比喩によるテック産業階層理解
数年前の流行言葉だったGAFAMとか、最近の流行言葉であるマグニフィセント7とか10とか、テック産業「隆盛」の標語みたいになっていますが、結局は時価総額(量)の一覧にすぎず、その企業基盤や動きを理解する役に立つには立ちません。
各企業の産業構造上の役割・位置を見ながら、<量的栄光>magnificentの<光>が本物かどうかという視点が必要です。
それを考えるにあたって、コンピュータの通信機能を階層的に概念化したOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルを比喩基準として使うのが、結構便利だな、と思ったので、やってみます。
OSIモデルはテック企業が主としてどの情報分野に関わっているのかを見るのに役立つからです。
- Layer 1: Physical Layer(物理層)
- 対応する産業:建設・土木業、不動産業、電力・ガス・水道(エネルギー産業)、鉱業(Construction, Real Estate & Energy)
- 比喩の理由:すべての構造の絶対的なコア。物理的な空間、土地、エネルギー、光ファイバーという「実体としての土台」を提供する最重要インフラ産業。
- Layer 2: Data Link Layer(データリンク層)
- 対応する産業:製造業(ハードウェア・部品)、半導体産業、ローカルインフラ(私鉄・地域の道路網)(Hardware & Semiconductor Manufacturing)
- 比喩の理由:物理層(レイヤー1)の基盤上で、直接隣り合う具体的なモノや設備を物理的に動かし、最初の結合を成立させる産業。
- Layer 3: Network Layer(ネットワーク層)
- 対応する産業:電気通信事業者(キャリア)、ISP(インターネットプロバイダ)、商社・卸売業(Telecom Carriers & ISPs)
- 比喩の理由:構築されたローカルなつながりを相互に結びつけ、最適な経路(ルーティング)によって広域な流通網やネットワークへ拡張する産業。
- Layer 4: Transport Layer(トランスポート層)
- 対応する産業:配送・物流(ロジスティクス)、航空・鉄道貨物、CDN(コンテンツ配信)産業(Logistics & Delivery)
- 比喩の理由:広がった流通網において、モノやデータをエラーなく、確実に、相手の元へ届ける「輸送品質の担保」を担う産業。
- Layer 5: Session Layer(セッション層)
- 対応する産業:認証・セキュリティサービス、決済代行(FinTech)、ID管理産業(Auth & Fintech)
- 比喩の理由:確実な輸送(レイヤー4)を前提として、取引や関係性の「開始から終了まで(合意・決済・安全確保)」の枠組みを制御する産業。
- Layer 6: Presentation Layer(プレゼンテーション層)
- 対応する産業:コンテンツ制作、UI/UXデザイン、翻訳・ローカライズ産業(UX & Content Production)
- 比喩の理由:制御された取引やデータを、最終的に人間が認識・消費できる「形式」や「表現」へと翻訳・加工する産業。
- Layer 7: Application Layer(アプリケーション層)
- 対応する産業:エンドユーザー向けサービス(SNS、EC、ゲーム、エンタメ産業 / Consumer Services)
- 比喩の理由:下位レイヤーが積み重なった結果として、初めて末端に現れる、ビジネスの「最表層」。