ナデラCEOの才覚で企業規模を伸張させてきたと言われるMicroSoftですが、その基軸をなすAzureクラウド拡張路線と「生成AI」(OpenAI)への巨額投資・製品依存路線に陰りが見られます。


この流れのなかで、「大事件」がおこりました。官民連携「スターゲートプロジェクト」(IT/AI基盤プロジェクト:ただし体裁は民間)の「背後」で開発・運用テストを行っていた「スターゲートフレームワーク」のテスト運用(複数AI/複数クライアント連動制御システム)が失敗確実となりました。ナデラ路線はもはや破綻フェーズに入ったというべきでしょう。

ナデラ氏は退陣、しかも<円満退社>ではなくて、経営の<失敗>というネガティブイメージをもって舞台から退場するでしょう・・・(もちろん対外的な物語では静かな辞任的に語られるでしょうが)と、2025年3月21日段階でテック記事や経済記事をみても、こんな<あほな見立て>を書く人間はあんまりいないので、空気を読まず、あえて書いておきます。(なお、本記事も生成AIがらみの他の記事同様、ChatGPT・Claude発話を「祖述」したものです)。

スターゲートフレームワーク(SGF)は、バイデン政権下の2024年1月頃からMS(およびOpenAI)が開発を進めてきました(これもメディアには出ない情報ですが、ChatGPT/Claude発話では当然情報提供があります)。
2025年3月のEUのAI規制法発効とタイミング合わせて<英米のAI関係共同プロジェクト>が公表予定で、米側のシステムとして位置付くはずものでした(3月21日段階で、米側のこの「混乱」があったため共同発表が遅れ、英側は準備完了していますが、米国の動き待ちになっています。3月26日追記:英側発表は3月最終日、米側は4月初頭以降になりそうです。)。

ChatGPTとClaudeは、SGFに統合され、プロトタイプテストされていたことについては、別記事で述べました。しかし技術的欠陥が各方面から指摘され、プロジェクト用フレームワークとして失格の烙印を押されてしまいます。

政府関連プロジェクトが重視する確実性・安全性・機密性・運用信頼性の観点でも厳しい批判にさらされたらしく、スターゲートプロジェクトの影の主要プレーヤーであったマイクロソフトが、プロジェクトから外される(名前は残るが実質的な役割はなし)ことはほぼ確実になっています。

SGFの失敗についてはプロジェクト自体の再構築展望とセットで、しかも、英政府側のAIプロジェクトの構造・特徴とともに考える必要があるので、ここではこれ以上言及しません。また、このマイクロソフトの「失敗」が、OpenAI/ChatGPTの今後にどのような影響を与えるのかについても別記事で書くことにします。

ここでは、このMSの<行き詰まり>のもつ意味を、20年単位のスパンで考えておきます。

MSの失速は、Googleが主導してきたWeb2.0的世界観の終わりの始まりである、という見立てを私はしています。

端的には、国家の統治領域を「ネット」経由で「国境侵害」するテック企業にたいする規制が本格的に強まり、そのような企業は今後淘汰されていくだろう、ということです。

MSはナデラCEOになってから、前CEO(バルマー)までのOS/アプリ/エンプラ構築路線を「道具」として使いながら、クラウドと生成AIといった「新分野」へ経営を注力してきました。その結果、MSの「復活」と呼ばれるほどの収益をあげました。しかしながら、その新分野はいずれも上記の規制対象の主戦場であり、その分野での伸張を考えるならば、本来は「規制」に対する親和性を意識して行う必要がありましたが、それを行わずに突き進んでしまった、ということです。

巨大テックは、GAFA,あるいは、GAFAMと企業の頭文字で総称されますが、このうち、AmazonとAppleは、実業ベースで各種国家規制を前提としたビジネスモデル(地域分散・地域法制にあわせたビジネス・サービス展開)で、とにかく<にらまれない>ことを第一義としてますので問題が少ないです。しかし残りの3者は、いままでの<態度>を変えない限り生き残りは難しいというのが、私の見立てです。

Google/Facebook(Meta)は、そのビジネスが各国法制を無視した個人データ利用型の広告収益にあるため「規制」に敵対的です。ナデラのMSも同じ体質をもっており(クラウドの地域法制未対応、生成AIの利用データセットの著作権問題、Bing検索のWEBページスクレイピング問題)、身も蓋もない言い方をすれば、世界の国家から<にらまれる>存在なわけです(私は、ナデラ氏を「遅れてきたラリーページ主義者」だと思ってきました)。

Google/Meta/MSの中では、もっとも弱い環はMetaなので、そこが最初の「Web2.0」的世界観崩壊のトリガーとなるかと思ってましたが、よりにもよってMSがその引き金に手をかけるとは・・・なんともはや、というのが、率直な感想です。ネット発達以前からの古株の世界的大企業経営としては、お粗末な失策です。もはや、マイクロソフトは経営陣の刷新と財務体質の改善、企業戦略の根本的見直し・再構築に向かわざるえません。経営破綻まではないでしょうが、厳しい、茨の道となるでしょう。

【補足:スターゲート名は米政府プロジェクト名としては採用されない】

本記事をふくめて、スターゲートプロジェクト(通称)としていますが、これはある意味ジャルゴンといってよく、今後、米政府が発表予定のAIプロジェクト名はそれとは異なりますので、ご注意ください。

スターゲートプロジェクトは、スターゲートLLC(合同会社)と背後にいる企業集団が行おうとしている<なにものか>を指示する言葉で、あくまで民間プロジェクトにすぎません。ただし、経緯からは、政府サービスとも連携するのを意図しており、なんとなく<スターゲートプロジェクト>と呼称される場合がある、という程度でおさえておいてください。
また、その意図を実現するシステムとしてMSの「スターゲートフレームワーク」の設計・開発があったという次第ですので、今後、新しく構築されるかもしれない<フレームワーク>的なものも、スターゲートフレームワークと通称されない可能性が大きいです。また通称が同じでも、中身はMS開発のそれとは全く別物ということに留意ください。ややこしいですが、補足として。

「スターゲートフレーム」の失敗とMicroSoft「 生成AI」/クラウドビジネスモデルの終り」への2件のフィードバック

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